祭りのお花代の書き方｜裏面のマナーまで完全ガイド

地域の行事として欠かせない「祭り」は、多くの人の協力によって成り立っています。

その中でも「お花代（おはなだい）」と呼ばれる寄付金は、運営費を支える大切な存在です。

「名前はどこに書けばいい？」「封筒の裏面には何を書く？」「地域によって違いがあるの？」
そんな不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、お花代の意味や使われ方から、封筒の書き方や裏面の記載マナーまで、細かく丁寧に解説します。

これを読めば、初めてでも恥をかかずに、きちんとした形でお花代を準備できるようになります。

地域を支える「お花代」とは？その意味と大切な役割

お花代とは、お祭りや行事に協力する気持ちを込めて渡すお金のことです。
地域によっては「奉納金」「協賛金」などと呼ばれることもあります。

このお金は、神社へのお供えものを買ったり、神輿や屋台の修理費、警備費、装飾のための材料など、さまざまな用途に使われます。
地域のみんなが協力してお祭りを盛り上げるために、心を一つにする象徴のような存在です。

伝統のある地域では、昔からの風習としてお花代を大切にしてきました。
最近では、時代に合わせた渡し方に変わってきているところもありますが、共通しているのは「気持ちを形にする」という意味合いです。

お花代っていくら渡せばいいの？〜地域や立場で異なる金額の目安〜

お花代の金額には、はっきりとした決まりはありませんが、地域の習慣やお祭りの規模によって、ある程度の目安があります。

一般的な目安は次の通りです。

お祭りの規模・立場	お花代の目安
小さな町のお祭り	1,000円〜3,000円
中規模〜大規模の祭り	5,000円〜10,000円以上
役員・祭りの関係者	10,000円以上
企業・商店の協賛	20,000円以上もあり

例えば、関西地方の一部では「奇数（きすう）が良い」とされ、3,000円や5,000円が好まれます。
逆に東日本では「割り切れる偶数（ぐうすう）が縁起が良い」とされる地域もあります。

どれくらい出すのが良いのか迷ったら、町内会の役員さんやご近所の年配の方に聞いてみるのがいちばん安心です。

封筒の選び方と書き方〜マナーよく丁寧に気持ちを伝えよう〜

お花代を包むときに使う封筒にも、いくつかのマナーがあります。
金額に応じて、封筒の種類を使い分けましょう。

金額の目安	封筒の種類	水引の色・形式
〜3,000円	無地の白封筒（簡易）	紅白・印刷でも可
5,000円〜	ご祝儀袋（正式）	紅白または金銀の水引

封筒の表には、「御花代」や「奉納」「寄進」などの言葉を、太く濃い墨で楷書（かいしょ）で書きます。
名前は封筒の下部に書き、連名の場合は中央に代表者、その左側に他の人の名前を添える形が一般的です。

企業や団体として渡す場合は、団体名を大きく書き、その下に代表者の氏名を記載します。

中袋には、金額を書き、必要であれば住所や電話番号を記入します。
これにより、後日お礼の連絡をいただけることもあります。

表書きの書き方と注意点

のし袋や白封筒の表面には、中心部分に「御花代」や「奉納」「寄進」などの言葉を濃い墨で記入します。

名前はその下に書きますが、個人の場合はフルネームで、団体の場合は団体名を大きく書いて、その下に代表者の名前を添える形が一般的です。

連名で出す場合は、代表者名を真ん中に書き、左側に小さく他の人の名前を並べるのがマナーです。

筆ペンや毛筆で書くのが望ましいですが、黒のサインペンでも代用可能です。

薄墨や黒白の水引など、弔事用のものは使用しないよう注意しましょう。

裏面の書き方と記載項目

封筒の裏面には、金額、住所、氏名、電話番号を記載するのが一般的です。

これは、祭りの主催者側が集金した金額を正確に管理したり、後日お礼を伝えるために使用する情報です。

とくに中袋がない場合は、裏面への金額の明記はとても重要です。

下記のような形式で記載すると丁寧です。

記載例（封筒裏面）：

金額：金五千円也
氏名：山田太郎
住所：○○市○○町1-2-3
電話：090-1234-5678

記入する際は、できるだけ丁寧な字を心がけましょう。
地域によっては記入項目が増減する場合もあるので、役員の方に確認しておくと安心です。

お金の入れ方・新札を使う理由とは？

お花代として入れるお金は、なるべくピンとした新札を用意しましょう。
新札は「これからのご縁を大切に」という意味があり、お祝い事や祭り事にふさわしいとされています。

もし新札が用意できない場合は、なるべく折れや汚れのない、きれいなお札を使いましょう。

お札を封筒に入れるときは、人物の顔が表になるようにし、顔が上になるように入れます。
封筒の口（開ける方）が上に来るようにして、中袋または封筒に入れてください。

封は、完全にのりで閉じる必要はありません。
特に、町内会でまとめてお金を数えるときには、簡単に開けられるよう、軽く折るだけにする方が親切です。

お花代を受け取るときのマナーと注意点

お花代を受け取る側も、丁寧な対応が求められます。
まずはその場で「ありがとうございます」と感謝を伝えましょう。

後日、お祭りが無事に終わった後に、お礼の手紙や口頭でのお礼を忘れずに伝えるのが礼儀です。

また、お花代はお祝いの一種ですので、封筒の色や水引、墨の種類に気をつけましょう。
香典などで使う黒白の水引や、薄墨（うすずみ）は、間違って使わないように注意してください。

特別な封筒や地域のならわしにも配慮しよう

地域によっては、オリジナルの封筒が配られることがあります。
また、特定の寺社で使う専用の奉納袋などがある場合もあります。

そうした場合は、町内会や祭りの担当者からの案内に従って、決められた様式で準備しましょう。

実際の記入例とよくある間違い

次のような記入がよく使われます。

表書きの例	内容
御花代	一般的なお祭りへの寄付
奉納	神社や寺へのお供え用
寄進	建物や備品に関する支援金
協賛金	商店などが協力として出す場合